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退職後の最後の給料はいつ払われる?払われない時の請求と相談先

退職後の最後の給料は、原則としていつもの給料日に払われますが、本人が請求すれば会社は請求から7日以内に支払わなければなりません(労働基準法23条1項)。最後の給料が未払いのまま不安な人向けに、請求の書き方、勝手な差し引き、時効、相談先の違いを条文と労働局の案内で整理します。

執筆:退職代行フィン編集部/最終確認日:2026年10月12日(e-Gov法令検索の労働基準法の条文と、厚生労働省・群馬労働局・大阪労働局・山梨労働局・日本郵便のページで確認)
一般的な情報で、あなたの状況への法的な判断ではありません。金額に争いがある場合や判断に迷う場合は、労働基準監督署や弁護士にご相談ください。

結論:最後の給料は「いつもの給料日」か「請求から7日以内」

退職後の最後の給料は、何もしなければ就業規則などで決まったいつもの給料日に、本人が請求すれば、いつもの給料日と請求から7日以内の日のどちらか早い日までに支払われる、というのが労働基準法の仕組みです。

労働基準法23条1項は、労働者が退職した場合に「権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い」と定めています。群馬労働局の案内も、退職した労働者から賃金の支払請求があった場合は、所定の賃金支払日にかかわらず請求から7日以内に支払わなければならない、と説明しています。

受け取るもの支払い・返還の時期根拠
最後の給料(請求しない場合)就業規則などで決まったいつもの給料日労働基準法24条2項(毎月1回以上・一定の期日払い)
最後の給料(請求した場合)請求から7日以内労働基準法23条1項
退職金(退職手当)就業規則などで決めた支払時期。決めていなければ請求から7日以内群馬労働局の案内
積立金・保証金・貯蓄金・職場に残した私物など請求から7日以内に返還労働基準法23条1項、大阪労働局の案内

状況別の次の一手です。

  • まだ給料日前:給料日を待つか、早く受け取りたければ書面で請求します(請求の手順)。
  • 給料日を過ぎても払われない:給与明細や勤怠の記録をそろえ、事業所を管轄する労働基準監督署に相談します(相談先)。
  • 金額に納得できない:争いのない部分は7日以内に払う義務があります(異議のない部分)。争いのある部分は、記録を持って相談先へ。

労働基準法23条の「7日以内の支払い」とは

労働基準法23条の「金品の返還」とは、退職や死亡のときに、権利者が請求すれば会社は7日以内に賃金を払い、労働者の権利に属する金品を返さなければならない、という定めです。

条文が返還の対象として挙げているのは、積立金、保証金、貯蓄金と「その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品」です。

退職金は就業規則の定めによる

退職金は、就業規則などで支払時期を決めていればその時期に、決めていなければ請求から7日以内に支払う必要がある、と群馬労働局は案内しています。

退職金がそもそも出るかどうかは、会社ごとの就業規則や退職金規程の定めによります。大阪労働局は、就業規則等に退職金の定めがあれば、労働基準法上の賃金として会社に退職金を請求できると考えられる、としています。

給料から勝手に差し引かれていたら

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払うのが原則です(労働基準法24条1項)。条文上、差し引きが認められるのは、法令に別の定めがある場合と、労働者の過半数代表などとの書面の協定がある場合です。

税金や社会保険料は前者です。群馬労働局は、労働者への貸付金を退職時の賃金と相殺したり、機器の破損などの損害額を一方的に賃金や退職金から相殺したりすることについて、賃金等から控除することは基本的にはできない、と説明しています。

「誰が費用を負担するか」と「給料から引けるか」は別の問題です。制服代を労働者が負担する約束があっても、最後の給料から一方的に引いてよいことにはなりません。差し引きに納得できないときは給与明細の控除欄と雇用契約書を保存し、相談の材料にしてください。会社から損害賠償を言われた場合は、給料から差し引く話とは別に、弁護士や労働基準監督署など専門の窓口へ相談してください。

金額に争いがあっても「異議のない部分」は7日以内

労働基準法23条2項は、賃金や金品に争いがある場合でも、会社は異議のない部分を7日以内に支払い・返還しなければならない、と定めています。

たとえば残業代の額で会社と意見が分かれていても、基本給のように争いのない部分まで止めてよいわけではありません。争いのない部分が払われないなら、法違反の疑いとして労働基準監督署に申告できます。一方、争いのある金額をどう決着させるかは、あなた自身が会社とやり取りするか、弁護士に代理を頼むか、裁判所などの手続きを使うことになります。

最後の給料を請求する手順

請求は口頭でも条文上の制限はありませんが、書面で送り、会社に届いた日が分かる形にしておくと、7日の数え始めで食い違いが起きにくくなります。

  1. 金額の根拠をそろえる:雇用契約書、給与明細、勤怠の記録(タイムカードの写真やシフト表)、就業規則のうち賃金と退職金の部分。
  2. 振込先が変わっていないか確かめる:退職後に口座を変える予定なら、請求と一緒に伝えます。
  3. 本人の名前で書面を送る:何を(最後の給料・積立金など)、いつまでに(請求から7日以内)、どこへ(口座)を書きます。控えを必ず手元に残します。
  4. 7日を過ぎても払われなければ相談する:相談先へ、そろえた記録と送った書面の控えを持って行きます。

請求の文面は、たとえば次のような書き方があります。

〇〇株式会社 御中
私は〇年〇月〇日付で退職しました。労働基準法23条1項に基づき、〇月分の未払い賃金(〇月〇日〜〇月〇日勤務分)を、この請求から7日以内に、下記口座へお支払いください。
振込先:〇〇銀行〇〇支店 普通 〇〇〇〇〇〇〇 名義〇〇〇〇
〇年〇月〇日 氏名〇〇〇〇

郵送するなら、内容証明郵便に「配達証明」を付ける方法があります。日本郵便の案内によると、内容証明だけでは相手が受け取ったことは証明できず、配達証明を付けると届けた日付の入った証明書が差出人に届きます。メールで送る場合も、送信済みメールを消さずに保存しておきます。

未払いの相談先は労働基準監督署と総合労働相談コーナー

給料や退職金が払われないという相談は、その事業所を管轄する労働基準監督署へ、それ以外の労働問題は総合労働相談コーナーへ、と大阪労働局は案内しています。

窓口主に扱うこと
労働基準監督署(事業所を管轄する署)給料日や請求から7日を過ぎても払われないなど、労働基準法違反の疑いがある申告。退職後でも申告でき、署が調査して法違反が認められれば会社に是正勧告を行う、と山梨労働局は説明しています
総合労働相談コーナー(各地の労働局・労働基準監督署内など)職場のトラブル全般の相談。法律違反の疑いがあれば行政指導の権限を持つ部署に取り次ぎ、希望があれば裁判所や法テラスなど他の紛争解決機関を案内
弁護士残業代の額など金額そのものに争いがある場合に、あなたの代理人として会社とやり取りしたり、裁判などの手続きをとったりしてもらう場合

労働基準監督署は法違反を調べて是正を求める役所で、金額の争いを決めたり、代わりにお金を取り立てたりする窓口ではありません。申告は、山梨労働局の案内によると、どこの労働基準監督署でもできますが、実際の調査は会社の所在地を管轄する署が行います。なお、労働基準法120条は、23条から27条までの規定に違反した者を30万円以下の罰金に処すると定めています。また、退職した人の給料(退職手当を除く)が退職日(その後に支払期日が来る分は支払期日)までに払われないと、会社はその翌日から年14.6%の遅延利息を払う必要があります(賃金の支払の確保等に関する法律6条、施行令1条)。天災地変や、金額の有無を合理的な理由で裁判所などで争っている期間などは除かれます(施行規則6条)。

最後の給料が思ったより少ないとき(社会保険料・住民税)

最後の給料の手取りが少ないときは、違法な天引きとは限らず、社会保険料や住民税の精算が重なっていることがあります。

社会保険料は、事業主が前月分を給料から控除するのが通常です。ただし、被保険者が使われなくなった場合は「前月及びその月」の保険料を報酬から控除できると、厚生年金保険法84条1項と健康保険法167条1項に定められています。月末に退職すると、最後の給料から2か月分がまとめて引かれることがあるのはこのためです。

住民税は、横浜市の案内では、1〜4月に退職すると本人の申出なしに残りの税額が一括徴収に切り替わり、6〜12月に退職すると普通徴収か、申出による一括徴収になります。手続きは市区町村で異なります。内訳は給与明細の控除欄で確認でき、理由の分からない控除があれば会社に内訳を尋ねてください。

会社が倒産したときは未払賃金立替払制度

会社が破産手続開始の決定を受けるなどして倒産し、給料や退職金が払われないまま退職した場合は、国が未払賃金の一部を会社に代わって払う制度があります(賃金の支払の確保等に関する法律7条)。

同法の施行令によると、対象は倒産の申立てなどがあった日の6か月前の日から2年間に退職した人です。立て替えられるのは未払賃金総額の80%で、総額には退職日の年齢で上限があり(30歳未満110万円、30歳以上45歳未満220万円、45歳以上370万円)。80%をかけた立替払の上限額は、それぞれ88万円・176万円・296万円です。2万円未満は対象外です(施行令3条・4条)。対象は毎月の定期の給料(労働基準法24条2項本文の賃金)と退職手当で、退職日の6か月前の日から請求の前日までに支払期日が来たものです。賞与は含まれません(施行令4条2項)。請求は、破産手続開始の決定などがあった日の翌日から2年以内にする必要があります(施行規則17条5項)。倒産の手続がとられていない「事実上の倒産」では、労働基準監督署長に認定を申請します。厚生労働省のQ&Aによると、この申請は退職日の翌日から6か月以内にする必要があります。未払賃金の確認も労働基準監督署長が行うため(法7条)、期限があることを念頭に、早めに事業所を管轄する労働基準監督署に相談してください。

未払い賃金の時効は3年、退職金は5年

労働基準法の賃金の請求権は、当分の間、行使できる時から3年(退職手当は5年)で時効により消えます(労働基準法115条と附則143条3項)。

115条の本文は「5年間」ですが、附則143条3項で当分の間このように読み替えられ、2020年4月1日以後に支払期日が来る賃金に適用されます。

私物・貸与品の受け取りと返却

職場に残した私物も、23条の「労働者の権利に属する金品」に当たり得ます。大阪労働局は、退職者が残した私物のパソコンについて、請求があれば7日以内に本人に返還する必要がある、と説明しています。

寮費の精算が済んでいないことを理由に返還を止めることもできない、という回答です。私物を返してほしいときは、給料の請求と同じく、ご自身の名前で品目と送付先を書いた書面を送ると記録が残ります。当サービスが代わりに請求することはありません。送料をどちらが負担するかは条文に定めがありません。「着払いで送ってほしい」という希望は、退職の連絡とあわせて伝えられます。会社が応じない場合、当サービスから重ねて求めることはしません。当サービスの電話では、条文や返還義務を根拠に求めることもしません。

反対に、制服・社員証・パソコンなどの貸与品は会社のものなので、返す準備を早めにしておくと話がこじれにくくなります。23条には、賃金の支払いを貸与品の返却と引き換えにするという定めはありません。退職後に届く書類(離職票・源泉徴収票など)は、会社から郵送で届くのが一般的です。届かないときは、まず会社へ連絡して確認してください。

退職代行フィンで伝えられること・伝えられないこと

退職代行フィンは、あなたの言葉を会社に伝える使者です。書類や私物の送付先といった連絡事項はお伝えできますが、未払い賃金の支払いを求めること、金額について会社とやり取りすることはしません。

お伝えするのは、あなたが指定した次のような連絡事項に限ります。会社の返事は手を加えずにそのままお返しします。

  • 給与明細や離職票などの書類の送付先住所
  • 私物の送付方法の希望(着払いで送ってほしい、など)
  • 貸与品の返送方法を教えてほしいという問い合わせ

最後の給料や私物の返還を23条にもとづいて請求するときは、この記事の文例のように、あなた自身の名前で書面を送ってください。会社が異議を述べても、当サービスは反論や条件の提示をしません。対応範囲はできること・できないことに、退職前の有給休暇の扱いは退職前の有給休暇に、会社に退職を断られたときの考え方は退職を拒否されたらに書いています。

よくある質問

7日はいつから数えますか

請求したときから数えます。条文は「請求があつた場合」に7日以内と定めています。郵送やメールでは、会社に届いた日が後から分かるようにしておくと食い違いを避けられます。たとえば10月1日に会社へ届いた請求なら、10月8日までが7日以内です(初日を数えない一般的な期間の数え方による例で、実際の計算は個別の事情で判断されます)。郵送なら内容証明郵便に配達証明を付けると、届けた日付の入った証明書が差出人に届きます。

貸与品を返す前に、給料を止めると言われました

労働基準法23条は、請求があれば7日以内に賃金を支払うと定めており、貸与品の返却と引き換えにするとは書かれていません。個別の事情は労働基準監督署か弁護士にご確認ください。

未払いの給料はいつまで請求できますか

退職手当を除く賃金は3年、退職手当は5年で時効になります(労働基準法115条・附則143条3項)。数え始めは支払期日などで変わるため、迷う場合は労働基準監督署に確かめてください。

未払いの給料を払うよう、退職代行フィンから会社に言ってもらえますか

できません。当サービスは使者として連絡事項をお伝えするだけで、賃金の支払いを求めることや金額のやり取りはしません。請求はあなた自身の名前で書面を送り、払われなければ労働基準監督署や弁護士にご相談ください。

出典

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